みやの/（20）

舞台は、凍てつくような冬の京都。古都の静寂に包まれた町家で、美しい少年・薰（かおる）は、幼馴染の雪子に淡い恋心を抱いていた。雪子は、しとやかで奥ゆかしい、まさに大和撫子といった少女。二人は、まるで雪解け水のように、ゆっくりと、しかし確実に、互いの心に惹かれ合っていた。

ある雪の夜、薰は妖艶な雪女と出会う。それは、この世のものとは思えぬ美しさを持つ女だった。透き通るような白い肌、漆黒の長い髪、そして吸い込まれるような青い瞳。雪女は、甘美な言葉で薰を誘い、氷の宮殿へと連れ去ってしまう。

雪子の心は、薰を失った悲しみで凍りつく。それでも彼女は、愛する薰を救い出すため、雪女の宮殿を目指す決意をする。一人旅立つ雪子の前に、様々な男たちが現れる。彼らは、雪子の美しさに魅せられ、欲望を露わにする。だが雪子は、薰への一途な想いを胸に、男たちの誘惑を振り払っていく。

苦難の末、雪女の宮殿に辿り着いた雪子。そこに広がっていたのは、絢爛豪華な氷の世界だった。そして、雪女の正体は、かつて人間に裏切られた悲しい過去を持つ、氷の精霊だったのだ。

雪女は、薰を氷の彫刻のように冷たい存在に変えようとしていた。それは、かつて自分が味わった心の痛みを、薰にも味わわせるためだった。しかし、雪子は諦めない。彼女は、雪女の悲しみに寄り添い、自らの純粋な愛の力で、雪女の凍りついた心を溶かそうとする。

果たして、雪子は薰を救い出し、雪女の呪いを解くことができるのか。そして、二人の愛は、永遠に結ばれるのか――。